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この写真は、マルタ・パンの水に浮く作品です。
題名は 「浮かぶ彫刻・札幌」
運動と錯視(運動造形)
『 自然の力で動く造形 』
日々の仕事に疲れ、車でなにげなく郊外のさびれた
温泉宿に来てしまった。
駐車場に車を止め、徒歩で宿への坂道を行く。
夜の10時ということもあって誰にも会わない。
一人で白一色の新雪の上を歩くのは心地良い。
キュッキュッとかすかな足音、他は静まりかえっている。
寒いのも忘れ、暗がりの中の宿の庭の雪景色を見つめた。
コットーンと、静まり返った冷えた空気の中に突然音が
響く・・・。
鹿威(ししおどし)の竹筒から水があふれている。
鹿威(ししおどし)は、斜めに切断された太い竹が、
中心の軸で支えられ水が片方に充ちると
重さで位置が反転し、コットーンと乾いた音を立てる。
庭に近づく小動物を遠ざけ、静かな空間に音のリズムを
加えて静寂感を引き立てる演出である。
私達は昔からこのような自然の力を利用した動く造形を、
生活の場に取りいれていろいろな楽しみを見い出してきた。
鹿威(ししおどし)、風鈴、水車、風見鶏、等々日本の
情緒を感じさせる昔からのもの。
最近では、海岸線に建つようになった風力発電のプロペラや、公園に造られる風や、水の流れで動くモニュメント等々。
■ 本日の課題 立体構成 4 ■
風による造形を考えてみよう。手短に課題として簡単に
取り組めるものとして
風による動きのある造形は、一般的にA・カルダーのモビールのようなものが思い出されます。
本日はそのモビールをどこかに組み合わせた、立体作品を
つくってみましょう。
材料は、厚紙、割り箸、ケント紙、スチレンボード等
身近な材料で、テーマは「風の動き」とでもしましょう。
台座のデザイン、モビールをつるすための支柱のデザイン、または支柱からモビールをつるすために梁か、
腕を出すのであればそのデザイン。
そして、モビールのデザインまで含めて全体でテーマを
追求できるように台座とモビールの間にある空間を、
より意識できるような作品を期待します。
◇◇この章のキーワード
□メカニズムの基礎
□機構の種類
□からくり
□メカニズムを利用した造形
□自然の力を利用した造形
□水による造形
□風による造形
□動力・熱・人工の力
□立体錯視
□視角指定立体
◇◇
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